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2015年9月

訪問看護は重症度の高い患者様が対象?

 こんにちわ

今日は風は冷たいけれど、さわやかな秋晴れの一日となりました。

先日、訪問看護先の養育者の方との対話を通じて、訪問看護、看護を考える機会を頂きました。

主治医は利用者様が日常生活を円滑に過ごすことが出来るよう、重度の脱水の改善を目的に点滴の実施を訪問看護師に指示しました。

これを受けて看護師は脱水の改善を最優先に考えながら点滴を実施し、それに加えご本人のセルフケア能力の向上を目指し、

利用者様自身で脱水を起こさないよう水分摂取の必要性を理解し、ご本人に合った水分摂取の方法や時間、本人のセルフケア行動を

高めるための支援を行う看護計画を本人・養育者と一緒に立て、実践し、日々の変化を実感しています。

その際「訪問看護って重症度の高い患者様が対象って思っていました。でもやっぱり違うんですね。私たちの様にどのように現状に対処し、

健康を取り戻していくことがいいのか迷っている人が訪問看護を活用してもいいんですよね」と養育者が話されました。

私は衝撃を受けました。

 ナイチンゲールは看護覚書で、看護を以下の様に述べています(以下は要約したものです)。

病気は回復過程であり、看護はその回復過程を助けるべきものである。

病気の苦しみは、必ずしも病気が原因ではない。それは、新鮮な空気、光、暖かさ、静けさ、清潔さ、規則正しい食事に管理と世話など、

これらのいずれかまたはすべてが欠けていることが原因の場合が多い。

わたしたちは、これらのことが患者の生命力に負担をかけないように行う必要がある。これが看護の役割である。

また今年日本看護協会は、2025年に向けた看護の挑戦 看護の将来ビジョンにて「いのち・暮らし・尊厳をまもり支える看護」について

表明し、様々な看護職の役割についても言及し、患者様の状態の維持・改善はもとより、住民の健康の維持増進、疾病の予防も看護の大きな役割で

あることが示されました。

現状は重症度の髙い患者様に対し、訪問看護を導入と認識されている他職種の方が多いのですがそうではありません。

私達看護職の力量は、対象となる方の健康の増進や疾病予防を如何に支援できるかでも試されます。

しかしなかなか、そういうお仕事の依頼は多くはありません。予防の段階から看護が介入するケースが増えれば重度化も予防できます。

できることから始めよう精神で、

きりん会では、医療連携先のグループホーム内での疾病の悪化や予防、健康増進のための取り組みを進めています。

その為にはホームのケアスタッフの皆様と共に学び、身体の柔軟性を保つための支援をバランスボールを使用し実践する方法を模索したり、

皮膚裂傷や転倒、肺炎の予防策についての学習会を進めながら、入居者様の安心で安全、日々充実した暮らしをお手伝いできればと思って

おります。

でも自宅で療養されている方々でも老若男女問わず、健康の増進や疾病の予防が必要な方は大勢いらっしゃいます。

重度の方への役割も重要ですが、多くの方が現状の健康を維持し、長く自身の暮らしを自身で営めるよう支援する役割を

訪問看護師として、またきりん会若葉訪問看護ステーションとして担って行きたいと思います。

 

グループホームにおける看取りへの支援

 麒麟会ではグループホーム入居者様に対し、訪問診療・訪問看護との医療連携加算を数か所のホームと契約し、

連携を行っています。現場での連携はもとより組織間の相互理解が進むようホーム管理者、訪問看護ステーション管理者間の

課題・解決策の共有や事象に対する対応策を共に考える場を設け、定例会議を運営しています。

開設後3年ほど経過すると、どのホーム様でも入居者様の看取りについての話題が多くなります。

地域包括ケアシステムで推奨されている住み慣れた場所での看取りは、ご本人、ご家族はもとよりホーム職員にとっても

意義の高いサービスとなります。

私達医療連携を担当する看護師は、グループホーム内でご本人の安心・安楽に加え、ご家族、ホーム職員の皆様も安心して

大切な旅立ちを支えることが出来るよう、支援することが役割となります。

看取りは千差万別ではありますが、プロセスに応じて必ず実践が期待される役割が各職種にあります。

役割をホーム職員が遂行するためには、ご本人の現状・予測される事象・予後への理解に始まり、オーダメイドな生活支援の方法

旅立ちが近づいた際の留意点、各プロセスにおける医師・看護師・薬剤師等の専門職の役割などの知識を得ることが求められます。

私達看護師は従来の看護業務に加え、ホーム職員に研修を行い、看取りの実践を支え、関わる方々にとって看取りが貴重な経験となるよう

支援していきます。要はナビゲータでしょうか。

先日、利用者様の看取りの過程でホーム内でエンゼルケアについて話題が有りました。

亡くなられた場合、ホーム職員がすべきか否か?という話題でした。

管理者から相談を受けた私は、誰がエンゼルケアを担当すべきかを明確にすることも大切ですが、当該ホームで初めての看取りの

経験を通じて、職員が「生死」「入居者様の死」をどのように捉え、受け止めるかを職員全体で共有する場が必要と判断しました。

ホーム管理者は死生観の共有の必要性を理解してくれ、ホームで学習会を開催してくれました。

私はファシリテーターとして個々の職員の死生観を引き出し、職員の価値観の共有を促しました。

結果、職員から「今まで死は怖いもので自分は何もできないと思っていたが、支援者として自分が出来ることがあることを知った」

「死を否定的に捉え、自分の見落としで利用者が亡くなってしまったらどうしようと思っていたが、そうでないことが分かった」等

各々の死生観・死に対するイメージ・支援者として出来る事を共有する事が出来ました。

ホーム内での看取りは各ステージに合わせたご本人の意思を尊重した自然な支援、旅立ちをホーム職員が主体となり実践できました。

ホーム内でご本人・ご家族を支えるのはホーム職員の皆さんです。

看護師が支援できることは限られています。

グループホーム内での看取りには、事前の研修会の開催が奨励されています。

それはとても理にかなっている事だなと痛感した経験となりました。

双方が互いの信頼関係を基本として、ホーム内での看取りを協働で支える経験を通じて、連携はより進化していく事でしょう。

 

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